業務用エアコンを導入する際の見積もりは何が大切?見積書などの見方を解説
業務用エアコンは種類が多くて価格差も大きいので、事前の見積もりが大切です。これから業務用エアコンの導入を考えている方は、見積もりについて知っておくことで、満足のいく業務用エアコン選びができるようになるでしょう。
今回は、業務用エアコンの見積もりについて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
エアコンの見積書について
業務用エアコンの見積もりを依頼する際には、見積もりの種類や見積書の見方、注意すべき項目などについて知っておくことが大切です。
・エアコンの見積もりには2種類ある
<正確な金額での見積もり>
正確な金額での見積もりは、実際に業務用エアコンを設置する場所を見て調査した結果をもとに提示されます。室外機の設置場所や配管ルートを確認することによって、必要な材料費や人員が計算できるため、実際にかかる費用とほぼ同等の正確な金額を提示してもらうことが可能です。
<概算金額での見積もり>
見積もりのスピードを重視したい場合は、概算金額での見積もりも可能です。現地調査を必要とせず、ヒアリングのみで目安となる金額を算出してもらえます。予算を組むために大まかな費用を知りたいときや、複数の業者を比較して候補を絞りたいときなどに利用できる方法です。
・見積りのここに注意
<本体価格の書き方>
見積書を確認する際は、エアコンの本体価格の欄に注意しましょう。本体の金額表記は、「定価」で記入される場合と「販売価格」で記入される場合があります。「定価」はメーカーが利益を得るための希望価格で、「販売価格」は小売業者が店舗全体の売上の兼ね合いを見て設定する価格です。そのため、定価で見積もりがされている場合は、相場よりも高額になっている可能性が高いでしょう。
また、購入予定のエアコンの型番と相違がないか確認しておく必要があるでしょう。業務用エアコンにはさまざまな形状や性能があるため、「型番」「形状」「能力」「台数」などにも注意が必要です。
<高額になるかもしれないケース>
業務用エアコンの見積もりが高額になるケースとして、本体価格そのものが高額であることです。一般的に、本体価格は馬力が大きいものほど高額です。また、工事費が高くなっているケースもあります。
業務用エアコンの室外機は重量やサイズが大きいため、高所や狭い場所、不安定な場所に設置する際に通常よりも多くの作業員が必要になったり、クレーン車を使用したりする場合も高額になりやすいでしょう。その他、配管ルートが複雑で長くなるときも工事費が上がります。
本体は種類によって価格に差がある
業務用エアコンは室内機の組み合わせや形状などの種類によって、設置スペースの広さや価格に差があります。また、形状や馬力によって機能面も変わってくるため、予算や場所に合わせて適切なものを選びましょう。
・室内機の組み合わせの違い
<シングル>
シングルタイプは、1台の室内機に対して1台の室外機が設置されます。小規模オフィスなど小さなスペースの空調を整えるのに適したタイプです。使用する台数に応じて室外機の設置台数も増えることから、室外機を置くスペースに余裕があるか確認しておく必要があるでしょう。価格はマルチタイプよりも安く、故障などの場合にも対応しやすいメリットがあります。
<マルチ>
マルチタイプの特徴は、複数台の室内機に対して室外機が1台にまとまっていることです。シングルタイプよりも設置費用がかかるものの、広いオフィスで室内機が複数ある場合でも、室外機の設置場所が1か所で済むため、設置しやすいでしょう。また、同時運転方式ではなく個別運転方式のマルチを選ぶことで、各部屋で個別に運転を切り替えて空調を細かく調整することが可能になります。
・形状による違い
<天井カセット形>
天井カセット形の本体価格相場はシングルで18~25万円ほどで、業務用エアコンの中では高額になりやすいタイプと言えます。天井カセット形は本体が天井に埋め込まれているため、スッキリしていることが特徴です。また、1・2・4方向※に送風口があり、短時間で空調を整えられます。
※3方向に吹き出すタイプはありません。
<天井吊形>
天井吊形の本体価格相場は、シングルで17~23万円と性能によって差があります。天井から吊り下げて設置されるため、スッキリとした見た目ではありませんが、後付けでも設置しやすく、部屋の後方までしっかり送風することが可能です。
<床置形>
床置形の本体価格相場は、シングルで19~24万円ほどです。大がかりな工事が必要なく、後付けでも導入しやすいでしょう。室内機の置き場所にスペースを取ってしまうため、業務に支障をきたさない設置場所をあらかじめ確保しておく必要があります。
設置費用は比較的安く、天井が低い場所でも設置できることがメリットです。
<壁掛形>
シングルで本体価格16~22万円ほどで設置できる壁掛形の業務用エアコンは、設置費用を抑えたいときに最適です。壁掛形は家庭用エアコンとよく似ており、小さいオフィスや事務所などでよく使用されています。メンテナンスも比較的容易にできることが特徴です。
・馬力による違い
業務用エアコンにはそれぞれ馬力があり、馬力の大きさで空調が整うまでの時間を短縮することが可能です。ただし、馬力が大きくなるにつれて冷暖房能力もアップしますが、本体価格も高くなります。また、馬力が大きいものは室外機のサイズや重量も大きくなるほか、複数台設置が必要になる可能性もあるため、工事費用が高くなることに注意しておきましょう。
見積もりを依頼する際のポイント
業務用エアコンの見積もりを依頼する場合は、以下で解説するポイントを押さえておきましょう。
・見積もりの依頼方法について
見積もりを依頼する際は、業務用エアコンの販売・設置を行う業者に問い合わせをしましょう。電話やメールでの問い合わせのほか、業者によってはホームページに見積もり依頼用の問い合わせフォームを設置している場合もあります。
また、最近ではLINEやZoomなどのオンラインツールを利用した見積もりも可能です。設置場所や予算の希望などを業者にしっかり伝えることで、最適な機種を選定してもらいやすくなるでしょう。
・オフシーズンを狙う
オフシーズンは、低価格での購入に最適なタイミングです。夏や冬など需要の高い時期は、設置工事の予約が埋まっている可能性もあり、費用も割高になる傾向があります。既存のエアコンがある場合は早めに点検しておき、需要が高まる時期を外して依頼できるようにしましょう。
・できるだけ早めに問い合わせをする
業務用エアコンの導入にはある程度の時間がかかるため、できるだけ早く問い合わせをしましょう。主に、現地調査を行って見積もり提示、選定した機種を発注・納品、設置工事が完了するまでの時間を考慮しておく必要があります。6~7月など需要が急速に上がる時期は、通常より時間がかかるため、なるべく早く見積もりを依頼しておくことが大切です。
業務用エアコンの交換の場合は撤去費用にも注意!
業務用エアコンを交換する場合は、撤去費用が必要になります。修理ではなく、本当に交換が必要なのかじっくり検討してみましょう。
・タイプごとの入れ替え費用相場
エアコンのタイプによる、入れ替え費用の相場は以下の通りです。
タイプ | 費用 |
天井カセット形 | 20〜40万円 |
天井吊形 | 18〜35万円 |
床置形 | 15〜30万円 |
壁掛形 | 15〜30万円 |
・交換には撤去費用が必ず発生する
業務用エアコンを交換する際には、別途撤去費用が必要です。台数や設置場所などによっても異なりますが、おおよそ2万円〜とされています。また、本体の撤去費用に加えてフロンガスの回収費用なども負担しなければならないため、設置費用とは別に予算を立てておくことが大切です。
・場合によっては修理のほうが安くなることもある
<まずは保証期間をチェック>
保証期間をチェックして、期間内であればまずは修理を検討してみましょう。修理費用が保証補償されれば、交換よりもコストを大幅に抑えることが可能です。
<設置年数が10年以上の場合は交換がおすすめ>
エアコンの設置年数が10年以上経っている場合は、交換するのがよいでしょう。設置から10年以上経ってしまった製品は新品よりもランニングコストがかかり、性能面でも劣ります。
まとめ
業務用エアコンを導入する際には、状況に応じた見積もり方法を選び、型番や金額などにもしっかり目を通しておくことが大切です。導入するタイミングによっても費用を抑えることが可能なため、ポイントを押さえてお得に業務用エアコンを導入しましょう。