天井カセット型エアコンとは?選べる種類について紹介
天井カセット型エアコンは、室内機を天井に埋め込んで設置するエアコンです。天井吊型や床置型とは異なるため、天井カセット型エアコンを導入する際には、特徴や種類についてしっかりと知っておく必要があります。今回は、天井カセット型エアコンを紹介します。
天井カセット型エアコンとはどんなエアコン?
天井カセット型エアコンとは、どのような特徴があるエアコンなのでしょうか。
以下で詳しく解説します。
・天井カセット型エアコンとは
天井カセット型エアコンとは、室内機を天井に埋め込んで設置するタイプの業務用エアコンです。
一般的に「天井カセット」、または「天カセ」と呼ばれているエアコンは、いずれも天井カセット型エアコンのことを指しています。天井と一体化したフラットな見た目で、室内をすっきり見せられるのが特徴です。
・天井吊型との違い
天井カセット型エアコンが天井に埋め込まれているのに対し、天井吊型エアコンは天井から吊り下げる形で室内機が設置されています。厚みが少なくスリムなデザインの製品が多く出回っているため、圧迫感もありません。
天井吊型は吹き出し口が1方向ですが、天井カセット型よりも吹き出し口の開口が広いため、遠くまで風を行き渡らせることが可能です。費用面では、天井に埋め込む必要のない天井吊型のほうが設置工事費用を安く済ませられるでしょう。
・床置型との違い
床置型エアコンとは、文字通り床に据え付けるタイプのエアコンです。天井カセット型と違い、天井に穴を開けて設置する必要がないため、設置費用が安く済みます。
暖かい空気は上にのぼる性質があります。床置型では、床に近い所から暖かい空気を吹き出すことで天井へ向かって暖めることが可能なので、暖房効率が高いのも特徴です。また、天井に設置されているエアコンとは異なり、メンテナンス時に脚立や足場も必要ありません。しかし、本体とその周囲の床スペースを占有するため、設置場所の確保が必要になる点がデメリットと言えます。
天井カセット型エアコンの種類
天井カセット型エアコンは、吹き出し方向の違いによって3種類に分類されます。
また、天井カセット型と混同されやすいビルトイン型、天井埋込ダクト型との違いについても知っておきましょう。
・4方向吹き出しタイプ
4方向吹き出しタイプ(天カセ4方向)は、天井カセット型エアコンの中で最も導入数の多いタイプです。吹き出し口が4つあり、4方向へ満遍なく風を行き渡らせることから、風当たりの不快感を軽減できます。
メーカーによっては、360°全方向へ吹き出すものや人感センサー、除菌機能、自動フィルター掃除機能などがあり、付属機能はさまざまです。
価格は1~2方向タイプに比べて高くなるため、必要性に応じて検討しましょう。
・2方向吹き出しタイプ
2方向吹き出しタイプ(天カセ2方向)は、2つの吹き出し口から風が出るタイプです。4方向吹き出しタイプと比べ、エアコン本体の価格が安く、費用を抑えられます。
形状がスリムですっきりしているため、内装デザインにこだわっている店舗や細長い事務所、廊下などの幅が狭い空間に設置する場合にもおすすめです。
デメリットとしては、風が2方向へしか出ないことから、4方向吹き出しタイプと比べると風が偏りやすく、拡散されにくい点が挙げられます。
・1方向吹き出しタイプ
1方向吹き出しタイプは、天井カセット型エアコンの中で最も費用が抑えられるタイプです。
一方で吹き出し口が1つしかなく、エアコン真下や両側に風が届きにくい点がデメリットに挙げられます。1方向吹き出しタイプで部屋全体に満遍なく風を行き渡らせたい場合は、天井の隅に設置しましょう。
・カセット型と似たタイプ
天井カセット型エアコンと似たタイプのエアコンで、ビルトイン型と天井埋込ダクト型があります。
設置の仕方が多少異なりますが、どちらも天井カセット型エアコン同様、室内機を天井に埋め込んで設置するタイプのエアコンです。以下の項目で、詳しく解説します。
ビルトイン型とは?
ビルトイン型にはどのような特徴があるのか、詳しく見ていきましょう。
・ビルトイン型の特徴
ビルトイン型は、天井の裏や壁の中にエアコン本体を埋め込み、そこからダクトをつないで離れた場所に吹き出し口を設置できるタイプのエアコンです。
1つの室内機に対して複数の吹き出し口を付けることができ、設置場所の自由度が高くなる点に特徴があります。
・ビルトイン型のメリット
室内機と吹き出し口を別々に設けられるため、狭い場所であっても設置可能です。天井カセット型エアコンの4方向や2方向タイプが設置できない狭い部屋には、ビルトイン型が適しているでしょう。
また、吹き出し口を複数設置できるため、風の流れを自由に分散でき、建物の形状に合わせて空調できます。室内をパーティションなどで区切られている空間やL字型の空間などへの設置には、ビルトイン型がおすすめです。
・ビルトイン型のデメリット
ビルトイン型の設置は、天井を大きく開けて本体やダクト、吹き出し口を設置する大がかりな工事になるため、設置費用が高くなります。
設置後は、定期的な掃除が必要ですが、ビルトイン型は自身でのメンテナンスが難しいエアコンです。定期的にクリーニング専門業者に依頼する必要があることに注意しておきましょう。
また、ダクトが長くなるため、空調効率が落ちやすいのもデメリットの一つです。
天井埋込ダクト型とは?
天井埋込ダクト型も天井カセット型エアコン同様に、天井に埋め込むタイプの業務用エアコンです。しかし、天井カセット型とは異なる点があるので、以下で確認しておきましょう。
・天井埋込ダクト型の特徴
天井埋込ダクト型エアコンは、本体が見えないよう、天井に完全に埋め込んで設置された業務用エアコンです。吸込口と吹き出し口が本体から分離している天井埋込ダクト型エアコンの場合、本体は室内から見えず、吸込口と吹き出し口のみが見えます。
・天井埋込ダクト型のメリット
室内機が完全に見えなくなるように埋め込まれているため、室内のレイアウトを損ないません。
また、室内機からダクトでつながる吸込口と吹き出し口を自由に配置できることから、天井カセット型が設置できないような狭い空間にも設置可能です。
・天井埋込ダクト型のデメリット
天井埋込ダクト型は、天井裏に室内機やダクトなどを設置するため、天井裏にスペースが必要です。
また、設置の際には専用の穴を開ける必要があり、部品代や工事費用は割高になります。ビルトイン型と同様に、メンテナンスの際に定期的にコストがかかる点はデメリットと言えるでしょう。
天井カセット型の設置工事について
天井カセット型の設置工事の相場や必要な時間について解説します。
・工事費用の相場
天井カセット型エアコンの設置にかかる費用相場は、1.5〜2.5馬力で10万円程度、10馬力のマルチタイプで20万円程度です。新設の場合は、別途穴あけ費用も発生します。
既存の天井カセット型との入れ替えなどですでに穴が開いている場合でも、設置するエアコンに合わせて微調整が必要なため、やはり費用は高めになるでしょう。
・工事に必要な時間
天井カセット型エアコン、その他のエアコン1台あたりの設置工事に必要な時間の目安は、以下の通りです。
- 天井カセット型:4〜5時間
- 床置型:2~3時間
- 天井吊型:3~4時間
- ビルトイン型:6〜8時間
天井カセット型の場合、穴を開ける時間や調整する時間を考慮すると、他の業務用エアコンに比べて少し長めに時間の確保が必要です。既存のエアコンの撤去や電気工事も行う場合はさらに時間が必要であるため、予算と併せて時間の見積もりもとっておきましょう。
・業務用エアコンの設置なら『エアコン総本店』にお任せください!
エアコン総本店では、天井カセット型エアコンをはじめとする業務用エアコンの設置を行っております。創業40年以上の実績から、工場やオフィス、病院、飲食店などさまざまな建物へのエアコン設置に柔軟に対応可能です。
また、見積もりから施工完了、アフターフォローまで、専任の営業スタッフが一貫して行い、お客様に快適な空調環境を提供します。
業務用エアコンの設置をご検討の方は、ぜひエアコン総本店までお問い合わせください。
まとめ
天井カセット型エアコンは場所をとらず、快適な空間を作り出せることからオフィスや店舗などで多く導入されている業務用エアコンです。新たに業務用エアコンの導入や変更を検討している方は、天井カセット型エアコンを検討してみてはいかがでしょうか。